上場までの道のり
IPO準備のスケジュール
IPO準備のスケジュールは証券取引所の上場審査に申請する決算期を申請期(n)としてとらえ、その直前の期をn-1期、直前前期をn-2期というように表現します。
上場審査には、監査法人が出すn-2期までの監査証明の提出が必要になり、上場時には目論見書としてn-2期までの経営情報が開示されます。
その為、n—2期以降については慎重なコーポレートアクションが求められますので、それ以前にIPO準備の全体像を把握し、パブリックカンパニーになるための整理整頓を実施しておかなければなりません。
右記以外にも、商標のチェックや財務局対応等、様々な準備作業がありますが、ここではダイジェスト版として、新規上場に至るまで、どのような実務を行うのかという概要を説明させて頂きます。
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1.IPOコンサルタントの検討
IPO準備においては、全体像を把握している経験者が社内にいる場合は別として、自社と同じ立ち位置でアドバイスを行い、作業を請け負ってくれるIPOコンサルタントの力を借りることで、効果的に準備を進めることも可能です。...
直前々期以前(n-3期以前)
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2.事業(利益)計画の策定
事業計画策定は、投資家やベンチャーキャピタル等から資金調達する際、そして、証券会社や証券取引所の上場審査において必要となります。実行可能な売上・費用・利益等の単年度・中長期計画を作り、それを実現するにあた...
直前々期以前(n-3期以前)
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3.資本政策の策定・実行
上場準備開始から上場後までの間に、自社の株式を誰に、どれだけ、どのように持ってもらうのかを、外部からの資金調達やストックオプションの発行計画を含めて、資本政策を策定していきます。直前々期に入ると資本の異動...
直前々期以前(n-3期以前)
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4.ショートレビューの実施
上場準備を本格的に始める際に、監査法人が行う短期調査をショートレビューと言います。ショートレビューの結果、株式上場に向けた課題の全体像が洗い出され、上場準備において取り組むべきポイントが見えてきます。監査...
直前々期以前(n-3期以前)
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5.監査法人の会計監査開始
上場申請時には、監査法人が作成する監査証明書(過去二期分の監査証明書と申請期における四半期レビュー報告書)が必要となります。その為、直前前期からは監査法人を選定し、会計方針の検討などを進めていきます。監査...
直前々期(n-2期)
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6.会計方針の変更
未上場企業では、税務申告をすることを目的にした税法ベースの会計処理となっていることが多いですが、上場企業を目指すとなると、金商法ベースの会計処理に変更していかなければなりません。その中では、引当金を積んで...
直前々期(n-2期)
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7.株主名簿管理人(信託銀行等)と契約
非上場会社の場合、株主名簿は自社で管理している場合が殆どですが、上場審査の形式要件で株主名簿管理人の設置が必須となっています。株主名簿管理人は株主名簿の作成管理の他、や配当処理等の株式に関する事務を行うほ...
直前々期(n-2期)
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8.規程の整備運用
上場企業になるためには、社内のルールを規程化し、しっかりと運用できるようにしなければなりません。非上場の企業の場合、営業優先で売上を上げるのに細かなルールは邪魔だと考えがちですが、上場企業になると、世間...
直前々期(n-2期)
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9.主幹事証券会社の決定
主幹事証券会社は、上場時に引受シンジケート団に入る他の証券会社とともに引受を行うため、証券取引所の審査に先立って主幹事証券審査(引受審査)をおこないます。その為、株式公開引受部署が、上場準備に関する様々...
直前期(n-1期)
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10.申請資料作成準備・印刷会社と契約
直前期に入ると、Ⅰの部やⅡの部といった上場申請書類の作成準備に取り掛かります。この時、Ⅰの部を作成するにあたって印刷会社と契約することが殆どです。印刷会社はⅠの部等、上場時の申請書類の作成や上場後の有価...
直前期(n-1期)
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11.ガバナンス体制の構築・運用
管理部門内の体制構築や内部統制フローの構築はもちろん、監査役会もしくは監査等委員会の設置、内部監査体制の構築、リスクコンプライアンス委員会の設置等、ガバナンス体制を構築し、運用を開始します。証券審査まで...
直前期(n-1期)
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12.予実の強化
事業計画において策定した単年度および中期の売上や費用、そして利益について、予算と実績の差異分析を行い、予算策定の精度を高めると共に、実績において予算と乖離しないように事業を遂行していく必要があります。尚...
直前期(n-1期)
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13.主幹事証券審査
主幹事証券審査は、公募や売り出しなどを行うにあたって、それらを引受するのに相応しい企業であるかどうかを審査する引受審査です。その為、証券取引所審査と別の目的をもっていますが、プレ審査としての役割も持って...
申請期
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14.証券取引所審査
Ⅰの部およびⅡの部に沿って審査が行われ、予実についても重点的にチェックを受けます。この時までに指摘事項が残らないようにするのが理想ですが、想定していなかった角度からの指摘があった場合、適時開示の観点から...
申請期
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15.ロードショー及びIRサイト作成
上場承認が行われると、公開価格を決定するため、機関投資家に対してロードショーを行います。その為、上場承認を受ける前にコーポレートストーリーを策定してロードショー資料を仕上げておく必要があります。これは上...
申請期
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16.上場セレモニー
上場日当日には、証券取引所においてセレモニーが実施されます。取引所の中にあるスタジオでテレビ番組に出演したり、取引所内部を見学したり、初値決定の瞬間を主幹事証券と一緒に見届けたりと、イベントが目白押しで...
申請期