管理部門の採用
7.監査役(常勤・非常勤)
監査役会は3名以上の監査役で構成し、内1名は常勤、半数以上は社外監査役であることが必要。また、それとは別にCGコードによって社外取締役の設置も推奨されており、審査を通過するうえで事実上の必須項目となっている新興市場もある(東証は必須)。その為、監査等委員会設置会社へ移行し、監査役会の構成メンバーに社外取締役を兼務してもらうケースも増えている。(2017年にIPOした90社の内、20社が監査等委員会設置会社を採用。上場企業全体でも、約4社に1社は監査等委員会設置会社と導入が増えている。)
監査役設置会社でのIPOを目指すには、遅くとも直前前期(n-2期)の期末までに常勤監査役の採用を決め、直前期(n-1期)の期初には監査役会を設置。直前期の定時株主総会には非常勤監査役も揃えて監査役会を運用していく必要がある。常勤監査役の任期は原則4年ということもあり、また経験者も50代以上が多いことから、一般的には50代半ば~60代後半までがメインターゲットに。最近では30代の常勤監査役を置いてのIPO企業もあるが、そのほとんどは公認会計士で、また報酬を抑える意味やダイバーシティの観点では、お子さんのいるママさん会計士や弁護士のキャリアの選択肢の一つにもなっているが対象者は少なく採用難易度は高い。傾向としては、常勤を監査役経験者にし、非常勤を公認会計士や弁護士にするケースがよく見られる。
報酬と年齢の目安
IPOの監査役求人の平均的な報酬は、常勤で月50~70万円程度、非常勤で月15~30万円程度。常勤監査役としては、常勤性を担保できればフルタイムで勤務する必要性がないため、高額な報酬を希望しないシニア人材(65歳以上)の活用も進んでいる。その場合の平均的な報酬は、常勤で月30~40万円程度、非常勤で月10~20万円程度が平均的。(2017年にIPOした90社では、上場時の常勤監査役(常勤の監査等委員)の平均年齢は約62歳。最年少が35歳、最高齢は80歳だった。)