管理部門の採用
RECRUIT

4.総務(人事、法務)



IPO準備においては、総務部門の人員として最低1名は必要となる。各種規定の整備や、労務体制構築、労務問題対応、株主総会対応など。また、事業拡大のための採用や、既存社員のための教育や人事制度の見直しなども重要になることが多く、採用を含む総務及び人事部門の体制にする場合は、少なくても2~3名の人員を配置しておきたい。



年収の目安

部長クラスで800~1000万円程度、マネージャークラスで600~800万円程度、スタッフクラスで400~500万円程度。

4-1.総務

直前前期(n-2期)には最低1名は採用しておきたい。ハラスメントやインサイダーなど、各種規定の整備や約款の作成、内部統制(J-SOX)の運用や内部監査、取締役会や株主総会などの各種会議体の運営、適時開示など多岐にわたり作業が発生する。マネージャークラスであれば経験者が望ましいが、主幹事証券や監査法人、信託銀行や印刷会社などの指導やコンサルも受けられることから、n-3期~n-2期のステージであれば、上場準備は未経験のスタッフクラスを採用しても、ポテンシャルさえあれば十分に対応は可能。

年収の目安

マネージャークラスで600~800万円程度、スタッフクラスで400~500万円程度。

4-2.人事

採用などの人材開発部門は、必ずしも管理部門に配置する必要はないため、事業部門や経営企画(社長室)などに置くこともある。採用に関しては専門知識よりも、会社理解や営業的なセンスが求められるため、外部からの採用に拘らず、他部署からの配置転換も有効。ビジネスモデルによっては、採用計画や人件費が、原価や経営の指標(KPI)となることも少なくないため、人材開発のトップは経営的な視点を兼ね備えた人材が望ましい。マネージャークラスの場合、各種人事制度の見直しや構築の経験、人事企画の経験があれば尚望ましい。

労務関連の対応はIPO準備にとって重要な要素となるため、ショートレビューでの指摘事項の重度にもよるが、n-2期には労務関連をメインに担当する人材を置くことが望ましい。サービス残業の是正や、未払い残業代の精算、法定に則した賃金計算の導入、必要に応じては勤怠管理システムの見直しや導入など作業は多岐にわたる。社会保険労務士の資格者の採用も有効。

年収の目安

マネージャー・部長クラスで600~1000万円程度、スタッフクラスで400~500万円程度。

4-3.法務

法務専任の担当者は、IPO準備段階では兼務していることが多く、直前期や申請期、もしくは上場後に新たに専任者を採用することも少なくない。法務担当者のメイン業務は契約書のレビューや作成になるため、CFOや管理部門長、総務部門の担当が兼務して行っているケースが多い。ただし、IPO準備にはコンプライアンス体制やリスク管理体制の充実、株主総会や適時開示といったいわゆる機関法務の作業も多く発生することから、兼務状態ではマンパワーが不足してしまい、ビジネスモデルや会社規模によっては、n-2期~n-1期で法務の専任者を採用することも増えている。また、行政対応や金融庁対応が必要な事業モデルの会社などでは、インハウスの弁護士を採用して、より内部統制や法務機能を強化する動きも珍しくなくなってきている。

年収の目安

法務の年収は、スペシャリストになるほど高く、担当者クラスで500~700万円、マネージャークラスで、800~1000万円、部長クラス・弁護士で800~1200万円程度。