管理部門の採用
6.内部監査
内部監査の担当者は、主に内部監査室を設置して、1名以上を配置。IPOの多くはまずマザーズなどの新興市場への上場を目指すため、専任担当者は置かず、総務や法務、経営企画部門の担当者が兼任し管理部長とクロスチェックの体制を取っていることも珍しくない。一方で、本則市場への直接上場や、新興市場からの市場変更の場合は、ほぼ必ず内部監査の専任者を置く必要がある。(東証一部は独立組織が必要。)また、国内外に子会社や関連会社を多く有する会社のIPOでは特に、内部統制及び内部監査の体制強化が必要になる。
内部監査の経験者は40代~50代が多く、その多くはキャリアの途中から内部監査部門に配置されているため、経理財務畑だけでなく、法務や事業部門の経験者も少なくない。内部監査は監査計画を立て、最終的に内部監査報告書を作成することがミッションのため、その作業の経験者がターゲットとして最も適切で、会社法や金商法はもちろん、より幅の広い法律をカバーできる人材が求められる。IPO準備や内部統制制度(J-SOX)の構築経験はあれば尚可だが、内部統制監査の経験は少なくとも欲しい。
年収と年齢の目安
40~50代の採用が一般的。経験や知識が豊富で、年収が比較的抑えられる60代以上の採用も最近では珍しくない。逆に若手の場合は、そもそも内部監査のキャリアを希望する人材が少ないため、総務や法務などの部門からの配置転換や、年収は高めだが、監査法人出身者でないと、外部からの採用は難しいと言える。年収は、室長クラスで600~800万円程度、担当者で500~600万円程度。