管理部門の採用
2.上場準備責任者(担当者)
上場準備責任者(担当者)は、必ずしも置く必要はないが、採用する場合は主幹事証券会社が選定される前後で配置していることが多い。主に、上場準備室や経営企画室(または社長室)が配属部署になる。IPOを目指すことが経営判断でなされたのち、上場に向けた旗振り役となり、外部の証券会社や監査法人などとのパイプ役となる人材。また、社内から選抜された上場プロジェクトメンバー(兼務)のまとめ役にもなる。社長からの特命案件も同時に受けることが多いため、社内から人選も有効だが、外部から採用する場合は、IPO準備経験者や公認会計士、証券会社の引受部門にいた人材などがマッチし易い。
上場後若しくは上場直前には、経営企画室長などに据えるのが一般的で、CFOと同様に、上場をゴールとして採用してしまうと、上場請負人となって上場後に辞められてしまうことも珍しくはないため、もちろん活躍次第ではあるが、上場後のポストもイメージして採用していきたい。
また、経営企画として採用する場合、IPO準備において重要な、予算統制や予実管理、内部統制の構築と運用、管理会計の導入など、上場企業(若しくは上場企業)の経営企画経験者を採用することが望ましい。
年収の目安
経理財務と比較するとやや高めで、経験者の場合、リーダークラスで600~800万円程度、マネージャー・室長クラスで、800~1200万円程度。若手の経営企画経験者は少ないため、どうしても若手を採用したい場合は、経理経験者または金融系出身者などが該当し易い。また、経理財務と同様に、公認会計士の採用も視野に入れたい。