管理部門の採用
RECRUIT

人員体制の強化

昨今、IPOをスケジュール通りに達成するためには、管理体制の人員強化は、会社業績と同じくらい重要な要素の一つとなっています。 業績拡大のための営業職や技術職などの増員ももちろん重要ですが、上場審査をパスするために、また上場後の管理体制を盤石なものにするために、管理部門の人員体制を強化していく必要があります。 人員体制の強化には、外部からの採用が一番の近道ですが、人員や時間に余裕がある場合は、外部からの増員はできるだけ最小限にし、社内の人材を教育して管理部門を構築することも可能です。また、IPOのためだけの増員をしてしまうと、上場後にミッションややりがいが減り、採用した人材が辞めてしまうことも少なくありません。そのため、上場後の管理部門及び人材の活躍できる場をイメージして採用することも大切です。また、IPO準備時にのみ発生する業務などは、一時的な費用は発生するものの、外部のコンサル会社に依頼することも一つの方法です。 以下は、主に外部からの採用を前提として、上場3期前(n-3)から直前期(n-1)までの目安となる採用時期や年収、採用のポイントなどをご案内させていただきます。

■各職種の採用スケジュールイメージ

■IPOにおける組織図の一例

■IPOにおける管理部門体制の一例

IPO準備の転職市場と採用のポイント

2014年から現在まで、年間90社前後がIPOしているのに対し、その約8~10倍以上の企業が具体的にIPOを検討し、準備を進めていると言われています。そのような中、IPO準備企業に限らず、大手企業から中小企業、外資系企業まで、増員や欠員補充など、人手不足による売り手市場が顕著になっています。一方で、市場に求人が多くあることによって転職の選択肢が増え、幅広い年齢と業界で転職希望者も増えています。管理部門の転職は、着実な性格を持った方が多い職種だけに、他の職種に比べて大手・安定志向が顕著に出てしまうため、比較的安定よりは将来性や成長性を期待するベンチャー企業においては、「超売り手市場」での採用になることを念頭に採用活動を行う必要があります。 非上場企業にとっては、「管理部門=コスト」と考えられることが多いのに対し、IPO準備企業にとっての管理部門は、IPOの実現に必要であるのはもちろん、強固な管理体制や上場後の適正な会社運営にとって重要な存在になります。そのため、採用コストや報酬を抑えようとするあまり、仮になんとかIPOを達成できたとしても、上場後に人材が流出してしまうことも珍しくありません。また、最近では避けて通れない“働き方改革”についてもIPO準備は例外ではなく、「IPO準備=忙しい」を当たり前にするのではなく、会社として働き方についてどのような考えをもっているか、どのような取り組みをしているかを候補者に伝えることで、採用の成功・人材の定着につながっていきます。 現在の市況下では、IPOに必要な管理部門の優秀な人材の採用は簡単ではありませんが、面接においては「選ぶ面接」から「選ばれる面接」を意識した「動機づけ」を中心とした選考内容へシフトし、任せる仕事内容はもちろん、会社の職場環境や事業の魅力、会社が目指すビジョン、採用ポジションの必要性を応募者にしっかりと伝えることが、採用で他社に負けないために必要となってくるのではないでしょうか。