インタビュー&コラム
INTERVIEW

ディズニーのパスポートから歯ブラシまで 株主優待の歴史と実例


最近、株に関する雑誌記事や特集で大きく取り上げられることの多い株主優待ですが、そもそもどういった株主がどういった優待を受けることを言うのでしょうか。
株主優待の広まった歴史的背景もふまえ、実際の優待例についてもご紹介します。

株主優待とは

株主優待とは、ある一定の株数を保有する株主に対し、企業が行うプレゼントです。
株の配当金とは別に株主に利益を還元することを目的としていますが、魅力ある優待制度を用意することで株主を囲い込み、株の値崩れを防ぐなど株価対策にもなっています。株数に応じてプレゼントが変わることも多く、また長期に株を保有する株主に、さらなる特典がある場合もあります。

株主優待の内容はさまざまですが、自社の宣伝を兼ね、製品・商品のプレゼントや自社サービスの優待・割引制度といったものが多く見られます。
また、地方の企業では地域の名産品をプレゼントすることもあります。
その他、お米や図書カード、カタログギフトといった誰にでも喜ばれるものや、社会貢献としてその優待分を寄付できる制度も見られます。

株主優待の歴史と広がり

実は株主優待とは日本特有のもので、欧米の企業にはほとんど見られず、ごく一部の小売業や飲食業で優待制度があるのみです。
一方の日本では、2017年1月現在、実に1,331社もの銘柄に株主優待が存在します。日本の株主優待は、どのように広まってきたのでしょうか。

株主優待が始まったきっかけには諸説ありますが、株主総会に来場したときの手土産の名残りといった説が有力です。
日本で一番初めに株主優待を始めたのは、今の東武鉄道株式会社。同社の社史に、「明治32年(1899年)、優待株数300株以上、範囲は鉄道全線、優待株主数41名」との記述があります。

戦後の時期には百貨店をはじめとする小売業界に広がり、高度成長期に入ると値崩れを防ぐための株価対策として、大手企業が魅力的な優待制度を競うようになりました。

平成26年(2014年)にNISA(少額投資非課税制度)が導入されると、株主優待を導入する会社が一気に増えました。
野村インベスター・リレーションズの調査によると、1988年には126社だったのが、NISA後の2015年には1,175社、2017年には1,331社と、10倍以上にも増えています。

10万円以下の投資でも優待を受けられる株銘柄も多く、少額の投資者を多く獲得したいという企業側の意図が見えます。

株主優待の実例

では、ここからは実際の株主優待の内容について、いくつかの例を見ていきましょう。

<サッポロホールディングス>

サッポロホールディングスの株主優待は、1. ビール詰め合わせ 2. 食品・飲料水詰め合わせ 3. 社会貢献活動への寄付 の3種類から選べるようになっています。ビール詰め合わせの場合、100株以上200株未満所有の場合は4本、200株以上1000株未満の場合は8本、というように、保有株数によって優待のボリュームが異なります。2000株以上を保有する場合には、これに加え、サッポロビール系列店などで使用できる優待券が配られます。

<ライオン>

ライオンの株主優待は、保有株数に関係なく一律でライオン製品の詰め合わせセットです。内容は歯磨き、歯ブラシ、ボディーソープ、衣類用洗剤、衣類用柔軟剤などが含まれ、ボリューム感があります。

<イオン>

イオンでは、100株以上を保有する株主に「イオンオーナーズカード」という優待カードを発行しています。日々の買い物の際にオーナーズカードを提示することで、後日、3%から7%のキャッシュバックが受けられます。キャッシュバック率は保有株数によって異なり、半年分を一度に現金で返金してもらえる仕組みです。イオン系列店でよく買い物をする方には、大きな返金額となるでしょう。

<ANA>

ANAの株主優待は、100株以上を保有する株主が対象です。保有株数によって「株主優待番号」が数枚発行され、それにより航空チケットが半額ほどの割引になったり、ANAグループや提携ホテルの宿泊料金、パッケージツアー料金などが割引になります。旅行をよくする方には助かる優待でしょう。

<ヤマダ電機>

ヤマダ電機では、保有株数に応じて額面500円の優待券が数枚発行されます。100株以上500株未満の場合は年間3,000円分、500株以上1000株未満の場合は5,000円分。1,000円の買い物ごとに500円分を利用することができ、一度に最大54枚(27,000円分)まで使えます。また、株式を1年以上の長期保有することで、さらなる優待券をもらうことができます。

<オリエンタルランド>

オリエンタルランドでは、経営する東京ディズニーランドおよび東京ディスニーシーで使用できるワンデー・パスポートが配られます。100株保有の場合は1年に1枚、400株の場合は1年に2枚といったように、株数に応じて増えていきます。また、長期保有株主に向けた優待制度も別途あり、こちらは東京ディズニーリゾート35周年、40周年の記念イヤーに、パスポートが上乗せして配られます。

このように、各社がさまざまに趣向をこらした株主優待を用意しており、いずれも100株からの少額投資で優待を受けることができます。
皆さんのライフスタイルにとってお得感のある優待を見つけたら、それを目当てに投資してみる。そんな株の楽しみ方が、急速に広まってきているようです。