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INTERVIEW

連結決算とは?作成義務のある会社、連結範囲、流れやスムーズに進めるためのポイントを解説


連結決算とは?

目次本記事の内容

  1. 1.連結決算とは
  2. 2.作成義務のある会社
  3. 3.作成義務がない場合(中小企業など)でも連結決算をする意義はあるのか?
  4. 4.連結範囲の対象となる子会社と対象外となる子会社
  5. 5.連結決算を行うメリット・デメリット
  6. 6.連結決算の流れ
  7. 7.連結決算をスムーズに進める方法
  8. 8.連結決算を行うためのツール
  9. 9.IPO準備企業における連結決算
  10. 10.最後に
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1.連結決算とは

1-1.連結決算の目的

連結決算とは、「連結財務諸表」を確定する手続のことを言います。親会社及び子会社を1つの会社とみなして、子会社を含むグループ会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を明らかにします。

1-2.連結財務諸表とは

連結財務諸表とは、親会社及び子会社を一つの会社とみなして、親会社が子会社を含むグループ会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成します。作成する書類は、以下の6種類です。

・連結貸借対照表
ある特定のタイミング(決算日)のグループ全体の資産・負債・純資産の金額と内訳を示す報告書。
親会社及び子会社の個別貸借対照表における資産、負債及び純資産の金額を基礎とし、子会社の資産及び負債の評価、親会社及び連結される子会社(以下、「連結会社」という。)相互間の投資と資本及び債権と債務の相殺消去等の処理を行って作成します(連結財務諸表に関する会計基準 第18項)。

・連結損益計算書
ある一定期間(決算期)のグループ全体の損益の状況を示す報告書。
親会社及び子会社の個別損益計算書における収益、費用等の金額を基礎とし、連結会社相互間の取引高の相殺消去及び未実現損益の消去等の処理を行って作成します(連結財務諸表に関する会計基準 第34項)。

・連結包括利益計算書
グループ全体の当期純利益にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を表示する報告書(包括利益の表示に関する会計基準第6項参照)。連結決算時に作成が求められます。

・連結株主資本等変動計算書
連結貸借対照表の純資産の部の一会計期間における変動額のうち、主として、親会社株主に帰属する部分である株主資本の各項目の変動事由を示す報告書(株主資本等変動計算書に関する会計基準第1項参照)。

・連結キャッシュ・フロー計算書
ある一定期間(決算期)のグループ全体のキャッシュの動きを示す報告書。
営業活動・投資活動・財務活動等にわけてキャッシュの動きを把握します。

・連結附属明細表
連結財務諸表の内容を補足する重要な事項を表示する報告書。

※上記は金融商品取引法に基づき作成が義務付けられる書類です。本コラムにおいては金融商品取引法に基づく連結財務諸表を前提に記載します。

1-3.連結決算導入の背景

連結決算は、2000年前後で行われた会計制度改革「会計ビッグバン」の一環で導入されました。当時、日本企業において大規模化・グローバル化が進んでおり、個別財務諸表だけではグループ全体での本来の経営成績を評価できないという問題が起こっていました。さらに親会社の個別財務諸表上の問題を隠すために、たとえば、親会社の売れ残り在庫を子会社に売りつけ在庫を移動させてしまうなど、意図的に損失を子会社に移管する会社もありました。そのような状況を解消すべく、グループ全体の財務諸表(連結財務諸表)の作成が求められるようになり、連結決算が始まりました。

2.作成義務のある会社

連結財務諸表の作成義務がある会社は、金融商品取引法第24条第1項と会社法第444条第3項に当てはまる会社です。

金融商品取引法 第24条(有価証券報告書の提出)第1項

第二十四条 有価証券の発行者である会社は、その会社が発行者である有価証券が次に掲げる有価証券のいずれかに該当する場合には、・・・事業年度ごとに、当該会社の商号、当該会社の属する企業集団及び当該会社の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書(以下「有価証券報告書」という。)を・・・政令で定める期間内に、内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 金融商品取引所に上場されている有価証券
・・・
引用:金融商品取引法 第24条第1項

金融商品取引所に上場されている有価証券=上場企業を指しているため、上場企業は有価証券報告書を提出する義務があることがわかります。そして有価証券報告書では「企業集団の経理の状況」を開示することが求められているため、連結財務諸表等の作成が必要となります。

会社法第444条(連結計算書類)第3項

三 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第24条第1項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。
引用:会社法 第444条第3項

大会社とは以下のいずれかに該当する会社のことを言います(会社法第2条6)。
・最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上であること
・最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上であること
つまりここでは、上場企業かつ大会社に該当する会社は連結計算書類を作成する必要があると定められています。

※IPO準備企業においても上場直前々期(N-2期)からの会計監査にて連結財務諸表が求められるため作成が必要です。 ※連結対象となる子会社がなければ、上記に該当する会社であっても連結財務諸表は作成しません。

上記に該当しない会社、例えばいわゆる中小企業には作成義務はありません。

3.作成義務がない場合(中小企業など)でも連結決算をする意義はあるのか?

上述の通り、中小企業などには連結財務諸表の作成義務はありません。では作成義務がない場合は連結決算をする意義はないのでしょうか。


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