インタビュー&コラム
INTERVIEW

『ファイナンスのプロフェッショナルが選んだ「心が熱くなる事業」』CFOインタビュー



建設DXを牽引するスパイダープラス株式会社は、「“働く”にもっと「楽しい」を創造する。」をミッションに掲げ、人手不足が深刻な建設業界の課題をテクノロジーの力で解決する建築DXサービス「SPIDERPLUS」の提供・開発を行っています。


今回は、スパイダープラス株式会社取締役執行役員CFOの藤原悠氏を取材。これまでのご経歴や建設現場のDXと業界の可能性、管理部門の人材にいま求められていることなどについて伺いました。


【プロフィール】

藤原 悠
スパイダープラス株式会社 取締役執行役員 CFO

Deloitte等でFinancial Advisorとして活躍後、スタートアップでの新規事業開発を経て2021年よりスパイダープラスに参画。経営企画部門とコーポレート部門を管掌。2022年より取締役執行役員CFOに就任。公認会計士。

会計士の資格は「ビジネスパスポート」

──はじめに、藤原さんが歩まれてきたキャリアについてお伺いさせてください。どうして会計士試験を受けようと思ったのですか?


正直なところ特別な理由があったわけではありません。 

ただ、社会人の第一歩を決めるにあたり、「現状のスキルや知識、専門性だけでいいのか」という漠然とした不安はありました。会計系の専攻が多かったため、試しに税理士試験の簿記論と財務諸表論を受けたところ、いい手応えで順調に試験合格もでき、数字や会計って、自分との相性がいいのかもしれないと思いました。この分野の勉強も集中して取り組めたので、関心はあるところだったと思います。

就活か悩みましたが、特段その時点で熱量高く自分がいきたい業種や職種を設計できなかったこともあり、大学3年生から会計士試験の勉強を始め、なんとか一発で公認会計士試験に合格できました。やりたいことも、できることもないのだから「ビジネスパスポート」を持っておかないと自分の選択肢が狭くなるという、危機感や恐怖心が強かったので、短期集中で試験合格できたのは自信になりました。


──会計士試験合格後は、監査法人に就職されますが、その先でCFOということは考えていましたか?


いいえ。監査法人就職前に監査法人就職後のキャリアパスは明確に描けていませんでした。知り合いや先輩も、監査法人の後はコンサルティングファームというキャリアパスの方が多く、自分も漠然とそのようなキャリアを想定していました。

とはいえ、せっかく専門的な資格試験に合格したのだから、独占業務をしっかり経験しておくべきだなと思っていましたので、会計監査から先について就職時にあまり考えないようにはしていました。監査は、経営管理で重要な業務を全般的に俯瞰できるので、ビジネスパーソンの入口としてはすごくよかったなと思います。


──監査法人ではどのような経験を積まれましたか?


メインは大手製造業だったんですが、それ以外にも金融やシステム開発会社や海運業など、さまざまな業種を担当しました。時期的には、2008年合格で入社数が相対的に多かった時代でしたので、先輩たちからは「ゆとり世代」といわれていました。

実際には、人が多い分競争は激しかったので、今に至っては活躍している同世代が多い印象を持っています。

監査法人での仕事にはやり甲斐を感じていましたが、徐々に「監査以外の道を試してみたい」という気持ちになってきました。監査ってプロジェクトマネジメントのひとつで、リソースを拡大していくようなものではないと僕は思っているんですね。また、専門性はあるものの、本当に企業の意思決定に寄り添えているのか疑問も感じていました。

そんな中で……