IPOの体制作り/人材採用
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上場準備に必要なタスク

1-①IPO準備と上場審査

IPO準備は、主幹事証券会社および証券取引所の審査を通過して初めて上場という結果を得ることができますので、審査を通過することは、IPO準備についての大きな目標の一つとなります。
審査はどのように行われるのでしょうか?

上場審査の大半は「Ⅰの部」と「Ⅱの部」に沿って行われます。

1-②上場審査で求められること

上場審査では大きく分けて、下記の二つをチェックします。

◆上場企業としての会計・開示体制

 ・・・監査法人がチェックをし、その成果物である「Ⅰの部」によって判断

◆上場企業としてのガバナンス・管理体制

 ・・・「Ⅱの部」に沿って審査

1-③会計・開示体制について

最低でも、下記の項目については必ずクリアしなければなりません。
◆監査法人と協議し、会計基準を上場ベースに組み替える(売上計上するタイミング等)
◆過年度(5年)分の決算書を新しい基準で出しなおして株主総会で承認させる
◆月次決算を5営業日以内に締め、15日以内に取締役会で承認する
◆出納と記帳を別の担当者でおこなう(財経分離)
◆四半期において45日以内に決算短信と有価証券報告書を出せる体制を整える
◆新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)を作成して審査時に提出する

「Ⅰの部」をしっかりと出せる体制と内容を備え、監査法人からOKをもらうことが、ひとつの目標となります。

1-④ガバナンス・管理体制について

新規上場のガバナンス・管理体制に対する審査は、通称「Ⅱの部」と呼ばれる「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅱの部)」、もしくは通称「●●(証券市場名)説明資料」と呼ばれる「新規上場申請者に係る各種説明資料」に基づいて行われます。

つまり・・・

「Ⅱの部」・「説明資料」に書き記す内容がガバナンス・管理体制審査の内容を表しており、これを知っておくことで、会計以外の上場準備実務が見えてきます。

1-⑤Ⅱの部・説明資料に書き記す内容

1 事業の内容

◆上場申請理由について◆事業の内容について◆許認可、免許及び登録等の状況について◆事務フローについて◆コーポレート・ガバナンスについて◆リスク管理及びコンプライアンス対応について◆内部監査について◆適時開示体制について◆内部情報管理・インサイダー取引防止の体制について◆IR活動について◆従業員・労務の状況について◆投資ファンドの状況について

2 今後の事業計画について

◆中長期経営計画及び年度予算の内容について◆予算統制について

3 特別利害関係者との取引の内容について

◆最近3年間及び申請事業年度の役員及び役員に準ずる者について◆大株主の最近3年間における所有株式数及び持ち株比率の推移について◆他人名義での株式所有について◆関連当事者取引について◆親会社等との関係について◆役員等が実質的に所有している会社の事業内容等について◆オーナーが関与する会社等の状況について◆担保契約等の重要な契約について

4 業界及び取引先の状況について

◆業界の状況について◆主要取引先の状況について

5 その他

◆主幹事取引参加者及び公認会計士・監査法人との契約について◆添付書類について