インタビュー&コラム
INTERVIEW

上場承認の取り消しは何故行われる?


企業が経営力を高めるひとつの手段としては、株式上場という方法が広く知られています。上場して株式公開することにより、企業の資金調達力がアップし、経営体質の強化を図ることができます。もちろん企業の知名度が向上するという利点もあります。

しかし中には上場承認後に、上場の取り消しをする企業もあります。大きなチャンスを目の前にして、何故上場できない状況に追い込まれてしまうのでしょうか?

ここからは最近の事例をもとに、上場承認の取り消しが行われる理由について分析してみましょう。

近年の株式上場の傾向

過去の株式上場は、一定以上の規模で安定した実績のある企業が、東京証券取引所(東証)の一部・二部で株式を公開するケースがほとんどでした。しかし近年マザーズやジャスダックといった、新興企業向けの市場が創設されたことにより、より多くの企業が上場のチャンスを得られるようになりました。

また資金調達法のひとつとして、IPO(Initial Public Offering:新規公開株)の利用が増えたことも、株式上場の機会が増える要因になっています。

株式上場の審査基準

企業にとって上場の基準が緩和されたとはいえ、東証で上場するためには厳格な審査基準を満たす必要があります。

例えばマザーズでは上場時の株主数が200人以上、株式の時価総額が10億円以上が必須条件となり、そのほかにも多くの基準が設けられています。

それらの基準を満たした上で、企業の経営状況・ガバナンス・事業計画などが厳しく審査され、合格すれば上場が承認されるのです。