インタビュー&コラム
『無駄な経験は、何ひとつない』CFOインタビュー
「イノベーションで世界中の人々にワクワクを」をミッションに掲げ、日本発のネイティブ広告プラットフォーム『LOGLY lift』をはじめとしたデジタル広告の価値の最大化、運用の効率化を図るサービスを手掛けているログリー株式会社。今回は、同社の取締役CFO岸本雅久氏にお話を伺いました。
「前職では部下だった」ログリー代表 吉永氏との出会い
― 代表の吉永さんとは、前職で上司と部下だったご関係だそうですね。(岸本さんが上司)その頃から、将来は一緒に事業を興そうと話されていたのですか?
そうです。彼が入社してきたとき私は既に役員でしたが、彼の在籍していた3年弱くらいの間に、よく話す間柄になっていました。
彼はエンジニアで、勉強熱心でアイデアが豊富で、やりたいことを実現するためには決して諦めない性格。一方でけっして人を裏切らない、信頼できる人物でした。やると決めたら引かないところもあるし、意味のあることをする若者だと思っていたので、彼が会社を辞めて大学院に行きたいと言ったときも快く送り出しました。
そのとき、何か新しいことをやろうという話は既にしていたのですが、彼のキャリアや意思を考えると、大学院に行った方が良いと思ったのです。
― その後、どのタイミングでまた一緒にやることになったのですか?
彼が北九州の大学院に行ってからも時々東京で会って、近況を話し合ったりしていました。その後、彼が栃木の実家に戻りログリーを作って、1人でサービスを立ち上げたりしていたときに「あの時の(新規事業の)続きをしましょう」と声がかかりました。一旦、お互いの道を進むことになって離れましたけど、結果またここで一緒にやることになりました。
事業も給料もゼロの状態でジョイン
― 吉永さんと2人で始められたとのことで、まさしく創業メンバーでのジョインですが、最初から今の主力事業(LOGLY lift等)の構想があったのですか?
いえ全然なかったです(笑)最初は、会社の形だけはあって、さあ何をやろうか?というディスカッションから始まりましたから。当然売上も給料もゼロでした。
― 失礼ですが・・・、給料無しでどうやって生きていたのですか?
お互いにアルバイトをしていました。吉永社長は技術コンサルタントとして、私は財務コンサルタントとして、週2日だけアルバイト先で仕事をして、後はログリーに時間を使っていました。私は前職で20年勤めて、M&A、資金調達などの財務部門経験も含め幅広く経験させてもらっていましたので、幸いお声をかけてくださるところがありましたので。
― 前職とは、株式会社カイカさんのことですね。カイカさんでは、どのようなご経験を積まれたのでしょうか?
カイカはオーナー企業だったのですが、社長になるための修行、いわゆる帝王学を受けさせてもらっていました。勉強もさせてもらいましたし、ある程度ロールで様々な職種を経験させてもらってもいましたね。
社費で2年間、MBAを取得するために留学もさせてもらって、これは私自身も必要なスキルだと思っていたので、とてもありがたかったです。
経験した職種で言うと、経理財務などのバックオフィス業務だけでなく、品質管理、営業と、意外と思われると思いますがエンジニアもやりましたし、新規事業を担当して海外を飛び回っていたこともあります。
― 幅広いですね?!エンジニアもされたとは。
ログリーのエンジニア達には内緒にしていますけどね。今コード書いてみろって言われても困っちゃうので(笑)
でも、一生懸命やりましたよ。ここまでしてもらって辞めるには、それ相当の御恩を返さないといけないと思い、返すまで20年あまりかかりました。
最終的には、会社をM&AにてEXITさせることが出来、上司である社長や売却先のオーナーからは次期社長の内示を頂きました。(社長指命は丁重に辞退して退職してしまいましたが。)