インタビュー&コラム
INTERVIEW

経理担当者にありがちなシステム選定の失敗パターンとは?


成長企業が内部統制と生産性向上のために選ぶ マネーフォワード クラウド経費

株式会社マネーフォワードの「マネーフォワード クラウド経費」は、数ある経費精算システムの中でも「営業部門の生産性向上と内部統制強化のバランスの良さ」が高く評価され、IPO志向企業など多くの成長企業で導入されている。同社のMoney Forward Business クラウド経費本部 本部長の今井義人氏と、同部のマーケティングディレクターの成末庸平氏に、IPO志向企業から注目を集める理由や、経費精算システム選定で持つべき視点やポイントについて聞いた。

株式会社マネーフォワード

2012年に創業。「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに掲げ、ビジネス向けクラウドサービスを提供。2年間で50万ユーザーを突破し、2016年3月にマネーフォワード クラウド経費の提供を開始。

Money Forward Business クラウド経費本部 本部長 今井義人 氏

経費精算をExcelやスプレッドシートで管理する問題点とは?

まず、マネーフォワード クラウド経費はどんな特徴があるのでしょうか?

今井:マネーフォワード クラウド経費は、 IC カードやクレジットカードの支払い、ネットで予約した交通・宿泊の決済など、さまざまな経費精算データを自動取得できる仕組みをもち、モバイルアプリから簡単に申請や承認ができます。


特徴の一つは「モバイル&オートメーション」です。当社は個人向けに、Web上に点在する銀行口座の残高やクレジットカードの利用履歴等を自動収集・一括管理できる家計簿・資産管理アプリを提供しており、この仕組みをマネーフォワード クラウド経費にも応用しています。経費精算に必要なデータが自動で手元のアプリに集まるので、申請の手間が省けます。また、交通機関やクレジットカード会社から提供されるデータを使って経費精算ができるので情報の信頼性が高く、内部統制上も有効です。

もう一つの特徴は、電子帳簿保存法に対応した「ペーパーレス」です。従来は紙での保管義務があった領収書や請求書等の帳簿書類を、電子保存できる制度に弊社システムは対応しています。ファイリングや、倉庫の保管場所の確保も不要となり、税務調査でも調査対象となる証憑をパソコンで検索するだけで済むようになります。2016年、2017年と立て続けに規制緩和があり、運用ハードルがぐっと下がったこともあり急速に普及が進んでいます。

マネーフォワード クラウド経費がIPO企業に選ばれる理由をおしえてください。

今井:ベンチャー企業は経費精算をExcelやWeb上のスプレッドシート等で行っているケースが多いのですが、これでは誰が承認したかログが残らない点がIPO審査において問題視されます。承認を紙でやりとりするのは手間なので、自社の状況に見合った価格感でシステムを入れようという話になります。また、先ほどご紹介した電子帳簿保存法への対応を想定し導入される企業様も多いです。

成末:内部統制の強化は基本だと思いますが、それと同じぐらいの重要度で、少ないリソースで最大限の売上を確保したい企業の生産性向上施策としてご利用いただくことも多いです。

IPO の時期は営業担当者やエンジニアなど人材がどんどん増えていきます。1人1人であればたいした時間ではないですが会社が大きくなると無視できない業務量になります。たとえば、営業1人が経費精算に1時間かかるとして、営業20人だと年間240時間が経費精算の時間として費やされます。

営業担当者が実質的な営業活動に使える時間は、1日の労働時間のうち30%程度しかなく、その他は移動時間や社内会議、雑務等をしていると言われています(株式会社日本能率協会コンサルティング調べ)。つまり、有効な業務時間を増やせればそれだけで売上アップができるはずなのです。IPOを目指して少ない人数で頑張る成長企業にとっては、有効な業務時間をいかに増やすかが鍵となります。

このようにビジネス部門、管理部門双方の課題の解決にマンパワーではなくテクノロジーを活用することが今のトレンドです。

どのような企業に選ばれているのでしょうか。

今井:これまでに株式会社ジャフコ様、株式会社ビズリーチ様、株式会社ユーザベース様、WAmazing株式会社様、株式会社フォトシンス様、Chatwork株式会社様、株式会社お金のデザイン様、ウォンテッドリー株式会社様といった企業でご活用いただいています。

成末:ベンチャーに限らず老舗の会社様や大企業様からもご利用いただいています。どのような業態、規模だとしても必ず共通しているのは、「会社の成長を支えたい、管理部門として業務の安定性は担保しつつ、営業部門の負担を軽くしたい」とお考えの経理部門から選ばれることが多いですね。

Money Forward Business クラウド経費本部 マーケティングディレクター 成末庸平 氏

システム選定のよくある失敗 「誰のために導入するのか」という視点が大切

マネーフォワード クラウド経費は他社の経費精算システムとは何が違うのでしょうか

今井:昨今の経費精算システムは、どのシステムを選んでも経理部門にとってある程度、使いやすいものになってきています。

最大の違いは、申請者(営業担当者等の従業員)や承認者(管理職)の利便性だと考えています。
経費精算には大きく分けて申請者、承認者、経理担当者、経営者の4者が関わります。このうち申請者が経費精算に充てる時間は1ヵ月で66分にも上り、さらに申請者は人数が多いためその分全社的に無駄が膨らみます。この無駄を削減できれば、インパクトの大きい生産性向上施策となるのです。

また、承認者は出先や移動中でもスマホで承認業務が行えます。会社によっては「承認業務があるから管理職は月末・月初に休みをとってはいけない」と決められていることがありますが、当社のシステムがあれば会社にいる必要はありません。経費精算の業務フロー全体を俯瞰して、4者全員に向き合ってサービス提供している点が、他社との明確な違いです。

成末: システム選定でよくある失敗として、管理部門だけで検討を進め、導入後に現場から反発される例があります。反発だけならまだしも、Excelや手書きで経費申請をしていた時とあまり手間が変わってないと「管理部門だけ楽に・・・」と言われてしまうとちょっと悲しいですよね。

経費精算システムは全社が使うものですから、「会社にいる誰のために導入するのか」という視点で選ぶのを強くおすすめします。誤解を生むかもしれないので補足しますが、結果として、管理部門の負担軽減に限定してシステム導入をすることがあっても、それは全社視点で意思決定をしているのであれば問題はありません。

大切なのは、「会社にいる誰のために導入するのか」という視点を持つことです。

「見える化」で経費データを売り上げアップの力に 採用力向上にも貢献

御社の今後のビジョンについて教えてください。

今井:サービスとしては、経費精算に要する時間をなるべくゼロに近づけていき、営業の訪問先をもう1件増やす、経営計画や分析を行うなど、浮いた時間を生産的な業務に回していただけるようにしたいです。

また、これまでの経費管理はコストを下げる発想が中心でしたが、有効活用すれば売上アップのサポートができると考えています。営業支援システムとデータ連携させることで、新しいチャンスを見つけるきっかけが生まれるかもしれません。

成末:例えば、見込み客との会食に経費を2万円使ったとします。その後、売上データと比較できれば、2万円の投資の価値を判断することが可能です。また、経費の使用状況を確認して、自社の上位10位の顧客と定期的に接触を持てているかというチェックもできます。

経費データと売上データの突合作業は、手動で一からやろうとすれば非常に面倒ですが、システムを活用すれば自動化できます。成長を加速させるための経費の正しい使い方について、システムで見える化できればいいなと考えています。

今井:将来的には、企業の採用力向上にも貢献できると考えています。労働人口減少が加速する今、優秀で専門性の高い人材を獲得して長く働いてもらうことがますます重要になっています。現場の負担を軽くするマネーフォワード クラウド経費は、従業員エンゲージメントを高める施策の一つとして役立つのではないでしょうか。

これからIPOを目指す経営者や管理部門の方にメッセージをお願いします。

今井:私は当社でIPOを経験しましたが、四半期に1回決算説明会を行うなど公開情報が増え、責めだけでなく守りにも気を配らなくてはいけないと実感しています。バランスを失わず、いかに効率よく管理体制を築くか。この課題に対し、適切なシステムが大きな力になるはずです。

最後に、弊社の上場プロジェクトを主導した1人である経理部長よりメッセージを預かりました。「IPOにチャレンジできることは経営、管理部門双方にとって本当に幸運です。会社に何が必要で、何が足りないかを考えるとてもいい機会となるからです。大変ではありますが、生涯に一度あるかどうかの機会を精一杯楽しみましょう」

株式会社マネーフォワード
https://biz.moneyforward.com/expense
本社オフィス 〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F
設立 2012年5月


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