インタビュー&コラム
大阪の老舗製造業JRCがグロース上場!舞台裏をCFO常川氏が語る
目次本記事の内容
- 1.大阪の老舗製造業JRCが2023年8月グロース上場
- 2.ファンドからJRCに出向、常川氏が担った3つの役割
- 3.ファンドを活用した上場準備のメリット・デメリット
- 4.上場準備段階での内部管理体制の構築
- 5.CFOに求められる2種類のスキル
- 6.JRCの市場選択
- 7.上場前の正念場、インフォメーション・ミーティング
- 8.上場後、常川氏が思うこと
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1.大阪の老舗製造業JRCが2023年8月グロース上場
2023年8月、株式会社JRCが東証グロース市場に上場しました。上場を牽引したCFOはファンド出身の常川氏。常川氏は2019年にJRCに出資したファンド・インテグラルから出向し、2023年に上場し、2024年4月に正式にJRCにジョインしました。上場準備時の同社はベルトコンベヤ部品の設計・製造・販売が事業の柱でしたが、常川氏は責任者として、新規事業であるロボットSI事業を2つ目の柱に育て上げ、同社の成長性の高さを魅せることに成功しました。そしてIPO準備ではCFOとしてその手腕を発揮し、準備から約4年で上場を実現しました。
JRCのIPOの軌跡と求められるCFOの役割とは?CFO常川氏とJRCの上場準備を支援したIPOコンサルティングのブリッジコンサルティンググループ岡田氏がざっくばらんに語ります。
▲株式会社JRC常川氏(左)、ブリッジコンサルティンググループ岡田氏(右)
※本コラムの内容は2024/8/22に開催された「CFOが語る、上場体験談-2023年8月グロース上場・JRC常川CFOが語るIPOの軌跡とCFOの役割-」の内容を元に作成しています。 ※登壇者の役職・肩書は、執筆時点の情報です。
<会社概要>
会社名:株式会社JRC
代表者名:代表取締役社長 浜口稔
本社所在地:大阪府大阪市
創業:1961年4月(浜口商店 創業)
設立:1991年3月(株式会社JRC)
事業内容:コンベヤ部品の設計・製造・販売、ロボットを活用した自動設備などの設計・製造・販売
資本金:80百万円(2023年2月時点)
従業員数:331名(連結)(2023年2月時点)
証券コード:6224
2.ファンドからJRCに出向、常川氏が担った3つの役割
ブリッジコンサルティンググループ 岡田氏(以降、岡田):常川さんは投資ファンドのインテグラルからJRCにIPO推進室長として出向し、上場後、インテグラルに戻らずにJRCに正式にジョインされたという珍しいご経歴です。JRCがインテグラルから出資を受けた理由と常川さんが出向されてから上場までの軌跡を教えてください。
-JRCがファンドの出資を受けた理由
JRC 常川氏(以降、常川):JRCは社長・浜口 稔の父が1961年4月に浜口商店として創業しました。1991年3月に株式会社JRCに商号を変更し、現在はベルトコンベヤ事業とロボットSI事業の2つをメイン事業としています。典型的ともいえる地方の老舗製造業でしたが、現社長が革新的な考えの持ち主であり、自社の永続的発展のために、採用力・信用力の強化を図りたい、そのためにはファンドと組んで上場を実現することが良いのではと考え、インテグラルが候補になりました。
インテグラルは自社から人材を派遣して、二人三脚で企業を成長させるタイプのファンドです。そこで、当時インテグラルに所属していた私が執行役員・IPO推進室長として、2019年4月にJRCに出向することになったのです。
-JRCに出向、常川氏が担った3つの役割とは?
常川)ビジネスの現状を数値で見える化し既存事業の成長をサポート、新規事業の立ち上げ、内部管理体制整備を含む上場の実現、私が担った役割はこの3つでした。
ベルトコンベヤ事業は好調でしたが、好調の理由を分析した数値で示すことができておらず、数年後の予測を正確に立てられていませんでした。社歴が長く、安定した事業を行っている会社にありがちな状況だと思います。一方で、新規事業のロボットSI事業は、想定通りに進捗していませんでした。また内部管理体制はある程度整っているものの、会計は税務寄りで、人員体制も必要最低限でした。
IPO支援室長として立ち回りつつ、2021年3月にロボットSI事業本部長も兼任し、ロボット事業を軌道に乗せるために邁進することになりました。
-2023年8月グロース市場に上場、JRCに正式にジョインすることを決めた理由
記事提供元
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