インタビュー&コラム
INTERVIEW

意志を持ったキャリア選択を経て、上場企業のCFOへ【CFOインタビュー】


企業の人材情報をクラウド上で一元化するクラウド人材管理システム「カオナビ」を提供し、社員の名前、経歴、評価、スキルなどを可視化することで最適な人材配置や抜擢といった人材マネジメント業務を支援している、株式会社カオナビ。

2019年3月15日に、東京証券取引所マザーズ市場に上場した同社の取締役CFO橋本公隆氏にお話を伺った。

新卒入社から、キャリアの選択理由が明確だった

― 本日はよろしくお願いいたします。まず、橋本さんの新卒からのキャリアを順にお伺いしていきたいのですが、名古屋大学情報文化学部を卒業後に、三洋電機株式会社に入社されていますね。

はい。学生時代に会計に興味を持って勉強をしていたので、卒業後は財務会計に関わる仕事がしたいと思って就職活動をしていました。

新卒の場合、特に大手企業だと事前に配属部署が決まっていることってあまりないじゃないですか。ほとんどが、4月1日時点の、部署のリソース次第で決まってくると思うんですよね。それだと、自分のキャリアが読みづらいなと思っていたところに、三洋電機だけは本社の財務部で採用しますとコミットしてくれたので、それならやりたい仕事が出来るなと思って入社を決めました。

なるほど。しかし名古屋大学では、情報文化学部ということで会計の勉強とは関連がないような気がするのですが、どうして会計に興味を持たれたのですか?

興味を持ったのは、正直たまたまですね。将来何をしようかなと考えたときに、何か専門性が欲しいなと思ったんです。そう思って色々考えて調べてみたのですが、とりあえず法律系は難しそうだなと(笑)そこで、つぶしもききそうな会計を選びました。と言っても、会計士資格は持っていません。一度試験を受けたのですが、短答式試験は合格したものの、論文で落ちてしまって。一旦もういいかなと思って、その後は受験していないです。

そうなのですね。三洋電機で経験した後には、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職されていますけれども、転職のきっかけは何だったのですか?

将来的なキャリアの限界を感じたことです。

三洋電機は当時、業績不振に陥っていて、財務基盤を立て直すために金融機関に対して多額の優先株を発行しました。当時、CEOや財務担当役員に同行し、会社が直面する様々な局面を打開していく場面に立ち会っていました。でも自分はメモを取ったりするばかりで、上が決めることをただ眺めているだけ。当然、意思決定の過程も分かりませんし、その判断が正しいのかジャッジすることもできないことに無力感を覚えることもありました。

その状況を打開するために、専門性や経験の観点から、金融機関で働くことが合理的だと考え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ転職しました。

ファイナンスの知識を得て、30代半ばで事業会社に行こうと思っていた

― 財務の経験値を上げるべく、転職されたのですね。 転職先の三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、主にどんな仕事をされていたのですか?

最初の1年半くらいは、証券化っていう結構マニアックな商品の組成をやっていました。ただ、リーマンショックで証券化商品って損失が大きかったじゃないですか。それで一気にマーケットが縮小してしまって。そこで、顧客である事業会社に対して財務戦略やM&Aなどの事業戦略を提案・遂行する投資銀行のカバレッジ部門に移りました。それが2008年頃だったと思います。そこから退職するまでは、ずっとカバレッジバンカーでした。

― なるほど。カバレッジバンカーとして働くなかで、1番おもしろいなと思った仕事は何でしたか?

そうですね、当時の年齢で、会社の意思決定をするような方々とお会いしてお話出来るのがまず刺激的でした。初めて関わったM&A案件はよく覚えています。TOBの案件だったのですが、初めてインサイダー情報を扱う緊張感や、企業の戦略上非常に重要なアクションに関与できたことは面白かったですね。

ファイナンス案件も、実際に資金調達が成功したときには、すごくやりがいを感じました。

― 確かに、各社の非常な大事な局面に関わることはやりがいを感じますね。 入社してすぐは、前職のように上司の方と共に行動することが多かったと思いますが、その後はどのあたりからおひとりで案件の対応をするようになっていかれましたか?

アナリスト、アソシエイトを経て、ヴァイスプレジデント(以下VP)になってからですかね。アナリスト、アソシエイトのときも、先ほど申し上げたような、重要な局面に立ち会う機会はあったので、そこに関してやりがいは感じていましたが、実際に自分自身がアドバイスをして実行に移していくのは、担当顧客を持てるVPになってからでした。アナリスト、アソシエイト時代に色々な案件に関わらせてもらい鍛えられたので、実際にVPになってお客様と対峙してアドバイスをするときは、自信を持って接することができたなと思います。そのなかでも、プロダクト知識を高める努力や、顧客企業ごとの業界動向を勉強することは怠らないよう業務にあたっていました。