インタビュー&コラム
INTERVIEW

過去5年、IPO実現企業の半数以上が支持した理由は“奉行シリーズ”と“IPO支援家ネットワーク”


デジタルトランスフォーメーションを見据えた奉行シリーズの進化

過去5年、IPO実現企業の半数以上に採用され続けている会計ソフトの定番・奉行シリーズ。開発元の株式会社オービックビジネスコンサルタントは、2018年3月にクラウド版をリリースし次世代の会計を追求している。代表取締役社長の和田成史氏と、監査法人支援室・企業成長支援室の堀江勇輝氏に、同社製品が選ばれる理由やIPO達成のポイントについて聞いた。

株式会社オービックビジネスコンサルタント
1980年設立、1993年に販売開始した奉行シリーズは累計導入企業が56万社にのぼる。次世代環境に対応した新たなソリューションを通じて、さらなる市場拡大と業績拡大を図っている。

代表取締役社長 和田 成史 氏

次世代会計の要件を満たす「奉行クラウド」

御社は2018年3月に奉行シリーズのクラウド版をリリースされました。どのような特徴があるのでしょうか?

和田:業界各社は今、次世代の会計であるクラウド会計に多額の資金を投じて開発しています。当社も数年かけて開発し、2018年3月「奉行クラウド」をリリースしました。当社が考えるクラウド会計の要件は(1)機能性・操作性そしてスピード、(2)クラウドによってつながる・ひろがる、(3)世界トップレベルのセキュリティの3点であり、これらをすべて満たすのが「奉行クラウド」です。

(1)については、お客様に楽しさや驚きを感じていただける高いレベルの機能性・操作性を実現しています。

(2)は、税理士や会計士など外部の専門家に専門家ライセンスをご提供し、奉行クラウドの画面を共有することにより、リアルタイムでアドバイスを受けることができます。また、領収書などから自動的に仕訳伝票を起こすことや入力したデータを学習する自動化機能や様々なシステムやデータとの連携、Azureプラットフォームの利用による運用管理により幅広く業務に対応し生産性・効率化を高めます。

そして(3)は、世界トップレベルのセキュリティです。例えば、自動運転の車は便利ですが、万が一制御を奪われれば故意に事故を起こされる恐れがあります。これはクラウド会計にも同じことが言えます。そこで当社は、国際基準に準拠し、全データ通信の暗号化保護を行うマイクロソフト社のプラットフォーム「Microsoft Azure」を採用して世界トップレベルのセキュリティを実現しました。

和田: 昨今企業がシステムに求める役割は「企業活動のインフラ」にとどまらず、時代の変化に即した新しいビジネスモデルを創出し、競争力を高める戦略的なツールへと変化しています。会計の世界にクラウドが浸透した今、そのニーズはさらに高まっています。当社でも「奉行クラウド」をきっかけに、「企業活動のインフラ」を超える新しいソリューションを提供してまいります。

監査法人支援室・企業成長支援室 堀江 勇輝 氏

パッケージシステムだから実現できるスピード導入と内部統制のスムーズな構築

奉行シリーズは過去5年、IPOを実現した企業の半数以上に採用されています。人気の理由を教えてください。

和田:奉行シリーズはパッケージシステムであり、導入するだけで内部統制環境を整えることができます。自社の業務フローに合わせてシステムをカスタマイズすると、その後の対応に苦慮するケースも出てきますが、パッケージシステムの枠組みに当てはめていくことで将来まで安心の管理体制を作ることが可能です。

また、勘定奉行は日本で唯一ISO15408認証取得システム(※)であること、監査法人監修のもと開発されたシステムであることもお客様に安心してご利用いただける大きな要因です。

※:国際標準規格「ISO/IEC 15408 情報セキュリティ評価基準」。IT製品及びシステムに対して、セキュリティに関する機能が適切に設計され、かつ確立された手段によって設計が正しく実装されていることを評価するための国際標準規格。OBCでは2009年に勘定奉行V ERPで認証取得。

堀江:パッケージシステムは短期間で導入できる点も大きなメリットです。「どうしても決算までにシステムを導入したい」などIPO準備のスケジュール上の都合で急がざるを得ないお客様のニーズを叶えることができます。導入から運用開始まで、導入支援専門部署で対応するため、すぐに本稼働に入ることができます。また運用開始後も、当社には主に社員で構成されたサポートセンターがありますので、そちらで不明点等は随時確認可能です。

御社はシステムの提供以外の面からもIPO準備会社を支援していらっしゃいます。支援内容について詳しく教えてください。

和田:社内に企業成長支援室というIPOを目指す企業や監査法人をはじめとするIPO支援家の方々をサポートする部隊を設け、11年ほど前から活動しています。メンバーは元々システムエンジニアだった開発メンバーで構成しており、全国の当社事業所担当者及び全国のIPO支援家の方々と連携してIPO準備企業を支援しています。営業やマーケティング部門からメンバーを選出していないのは、お客様の声を製品にダイレクトに反映させるため、そして営業の目線ではなくお客様に対してそして社会に対して貢献するというミッションを実現するためです。おかげさまで全国にご協力いただいているIPO支援家の方々が数多くいらっしゃいますので、セミナーを共催したり、必要に応じて当社からお客様に適切な支援家の方を紹介させていただいています。

堀江:IPOの基礎知識やトレンドに関する無料セミナーを年間80本ほど開催しており、リピーターの方もいらっしゃるほどご好評いただいています。最近のセミナーでは、IPOのトレンドキーワードの一つである「監査難民」を取り上げました。監査法人の人手不足により、契約をしてもらえない、契約を継続してもらえないという会社が増えているのです。選ばれる会社になるには、いわば「手間がかからない」、内部統制の整った会社であることが暗黙の条件となりつつありますから、パッケージシステムを活用したスムーズな内部統制環境構築は有効な手段です。

IPO成功のポイントについて教えてください。

堀江:IPO審査にはトレンドがあります。近年は未払い残業代、長時間労働など労務問題が厳しくチェックされます。この点に対応したい企業から、勤怠管理、労務管理等の機能を個別に追加できる「奉行クラウドEdge」のニーズが伸びています。

審査は年々厳しくなっていると言われており、スケジュール通りにIPO準備が進まないことが多々あります。IPOトレンドをいち早くおさえ、システムなどを活用しながらスピーディに対応することがIPOを実現するために必要と考えています。

和田:2018年も上場企業における不正等がたびたび話題となり、その度にコーポレートガバナンスが問われました。コーポレートガバナンスを実現するためには、整備された内部管理体制が必須であり、管理部門にキーマンが必要です。トップが管理部門を理解し、管理部門のキーマンが自由にアドバイスや意見が言える環境が大事ですね。

システム選定はIPO準備と業績を大きく左右する

これからIPOを目指す経営者や管理部門の皆さんに向けて、メッセージをお願いします。

和田:経済産業省が提唱している「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が実現されていくことにより、世の中は自動化・デジタル化が一層進みます。この流れに乗って、日本企業が挑戦し変革を遂げ、その中から多くのIPO企業が誕生することを願っています。

管理部門の方々にとっては、今後ますます変わる新しい働き方への対応が重要です。短時間の労働で生産性を上げるためにはICTの利活用が欠かせません。当社製品が一助となれば幸いです。

堀江:IPO準備においてシステム変更はマストではありませんが、システムによる効率化で新しい時間が生まれれば、企画・提案・製造・販売といった業績に直結する活動に充てることができます。システム選定がIPO準備と業績に大きな影響を与えることは間違いありません。安い買い物ではないこと、導入時には管理部門に負担がかかることなども考慮して、自社の成長に貢献するシステムを選定してください。

株式会社オービックビジネスコンサルタント「奉行でIPO」
https://www.obc.co.jp/special/ipo/bugyo
住所 〒163-6032 東京都新宿区西新宿六丁目8番1号 住友不動産新宿オークタワー 32F
設立 1980年12月
従業員数 739名(2018年3月末現在)


株式会社オービックビジネスコンサルタント

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