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INTERVIEW

証券代行業務って何するの?意外と知られていない証券代行業務の話


みなさんは証券代行業務という言葉を聞いたことがあるでしょうか。株を持っている方や会社を経営している方であれば聞いたことのある言葉かもしれません。今回はあまり聞き慣れない証券代行業務についてご紹介します。

証券代行業務とは
証券代行業務を説明するにあたって、まずは会社法に触れる必要があります。
会社法第123条に、株式会社は、株主名簿管理人を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる、と定められています。つまり、株式会社が行う必要のある株式事務を外部に委託することができ、その委託先を株主名簿管理人と呼ぶのです。

また、上場企業においては株式事務の円滑化を図るため、株式事務代行機関の設置が義務付けられています。2017年4月1日現在、東京証券取引所が承認している株式代行機関は、
信託銀行
東京証券代行株式会社
日本証券代行株式会社
株式会社アイ・アールジャパン
となっています。

株式事務とは株式に関わる事務のことで、名簿書換事務、株券・優先出資証券の発行事務、増資・株式分割等の事務、株主総会招集通知発送など、株式全般の事務を指します。この、株主名簿管理人が行う株式事務代行の業務を、証券代行業務と呼んでいます。

証券代行業務の内容
それでは代表的な証券代行業務をご紹介しましょう。

【株主名簿の作成・管理】
住所・氏名の管理から、期末株主の確定まで行います。

【配当金の支払い・管理】
配当金を計算し、支払いを行います。また、未払いなど配当金関連の管理も行います。

【株主総会サポート】
株主総会の日程打ち合わせ、招集通知の発送、シナリオ作成、リハーサルなど、株主総会運営における全てをサポートします。

【株主総会レビュー】
株主総会における議決権行使の分析など、レビューを作成します。

これらの証券代行業務以外にも、さまざまなサービスを併せて提供しています。

【IR/SR活動コンサルティング】
会社と株主や投資家のあいだには、信頼関係の構築が必須です。長期安定的な関係を築くためのIR/SR活動をサポートしてくれます。

【株式実務に関するコンサルティング】

上場前の企業であればIPOに向けた定款の変更や、株式取扱規則の整備、株式法務に関しても打ち合わせを行ったりします。

【ガバナンスコンサルティング】

企業の公平な経営を継続するため、自社内のガバナンスを効かせるよう提案をしたり、コーポレートガバナンス・コードの対応について支援したりしてくれます。

【ディスクロージャーコンサルティング】

中にはディスクロージャーに関わる業務をサポートしてくれる場合もあります。
アニュアルレポート、CSRレポート、コーポレートガバナンス・レポート、株主通信などの作成をサポートしてくれます。

多くの証券代行業務機関は、株式会社にとってとても比重の高い業務と言える株式事務を代行してくれますが、その業務は株主と会社をつなぎ、会社が発展していくための重要な業務になります。
そのため株式事務以外の業務でもあらゆる面でサポートをして、会社が発展していくためのアドバイスを行います。
また、新規株式上場マーケットにおいてIPOコンサルティングに注力している機関も多くあります。IPOに向けた社内体制の構築や財務アドバイス、上場前段階からのIR活動など支援をしています。

証券代行業務は単なる代行業務ではなく、会社を発展させていくための業務を代行するため、その業務は多岐に渡ります。証券代行機関が、日本国内の株式会社をこの瞬間もしっかりと支えてくれているのです。